バイオメカニズム学会では毎年の学術講演会とは別に,隔年毎にシンポジウムを開催してきました.このシンポジウムはバイオメカニズム研究,すなわち,ヒトと動物の形態,運動,情報に関する機能,相互関係,ならびにその応用に関する研究を対象としています.本シンポジウムは,本学会の学術講演会や他学会のシンポジウムと比較し,以下のような特徴を有しています.
● リゾートスタイルの合宿形式
本シンポジウムは基本的に都市部ではなく,リゾート地で開催し,宿泊場所とシンポジウム会場を隣接させ,「合宿形式」,「缶詰」状態で実施いたします.そのため,研究仲間と夜を徹した議論が行われるなど,単なる講演会では得られない情報交換,人的交流が期待できます.
今回のシンポジウムは東京方面から2時間ほどの茨城県潮来地区での開催です.会場周辺は緑で囲まれ,また眼前には霞ヶ浦(北浦)が広がり,さらにその先には鹿島神宮の森も見渡せます.自信を持って,お勧めいたします.ノーネクタイなど,お気軽な服装でお越しください.
● 長時間発表・討論,シングルセッション
25分という比較的長い発表討論時間を設け,シングルセッションで全ての発表を皆で聴講するスタイルをとります.そのため,異分野の発表に対してもじっくり聴講,議論をしていただけます.
● 長文な予稿集原稿
予稿集もフルペーパー相当の原稿の長さ(10ページ基準)で,研究の内容を異分野の方にもわかりやすく説明・議論していただきます.
● 選択出版(絶対査読+相対査読)
シンポジウムでの発表は単なる口頭発表に終らず,学術論文へとつながっていきます.シンポジウム原稿を査読し,採択された論文を論文集「バイオメカニズム」に収録して出版します(2008年7月出版予定).一部は「バイオメカニズム学会誌」に原著論文として推薦する場合があります.論文集「バイオメカニズム」はすでに18巻の実績があり,この分野を代表する出版物として高い評価を受けています.
● 夜話,懇親会
夕食後に行われる特別講演(夜話)は気軽な雰囲気で,ユニークな話題をご提供いたします.また,全員参加の懇親会などの企画も充実しております.今回の夜話では以下のお話を企画しております.
筑波大学大学院人間総合科学研究科
芸術学専攻 蓮見 孝 教授
「車いすから発想する次世代モビリティ」(仮題)
概要:コントラスティブな発想でモノ・コトを見つめると,障害の象徴のような車いすが,未来ののりものに見えてくる.巨大化した機械を人間スケールにもどすことによって,モビリティのUD化が図れるかも知れない.
蓮見先生は企業から大学教員へ転身された工業デザイナーで,近い将来の「乗り物」をまち作りと一体で描こうとしておられます.ユニークな夜話をご期待下さい.
● 異分野融合
バイオメカニズム学会は医学,工学,体育学,人類学など様々な分野を融合し,既成の学問領域にとらわれない新しい「バイオメカニズム領域」の確立を目指しています.
本シンポジウムでは異分野の研究者が集うユニークな場を提供いたします.また,お互いが切磋琢磨し,共感し合い,異分野が融合していく1つの機会となることをお約束いたします.さらに,今回は20回の節目を迎え,融合から創成への転換期にふさわしいシンポジウムにしようと考えておりますので,皆様方の積極的な演題登録,シンポジウム参加をお願い申し上げます.
第20回バイオメカニズム・シンポジウム 実行委員長 横井孝志